誰も知らない本当のBohemian Rhapsodyの和訳と意味

2018年の11月2日に公開が開始された映画「BOHEMIAN RHAPSODY」。
日本でも大ヒットしましたね。若い世代から現役を引退した世代まで、幅広い層にファンがいるんだと僕は肌で感じました。

ボヘミアンラプソディーに関する逸話や考察は沢山ありますが、まずは歌詞の和訳(というか意訳)から始めましょう。
ネイティブたちにとっても「難解」と評されるこの歌を僕の解釈で訳していきたいと思います。和訳の後に詳細な解説をします。
長い間考えていくうちにこの”BOHEMIAN RHAPSODY”を解釈できるようになってきました。この歌はすごく勇気を与えてくれます。美しいだけでは無く、計り知れないエネルギーを持った歌です


Bohemian Rhapsody 歌詞

BOHEMIAN RHAPSODY


[イントロ]

Is this the real life? Is this just fantasy?
これは現実なのか?それとも単なる空想に過ぎないのか?

Caught in a landslide, no escape from reality
地滑りに飲み込まれた時のように、何物も現実からは逃れられない。

Open your eyes, look up to the skies and see
目を開け、そして空を見上げてみろ…。

I’m just a poor boy, I need no sympathy
僕は一人の可哀想な少年だ、けれど同情なんて必要ない。

Because I’m easy come, easy go, little high, little low
僕は気楽な身の上で、嬉しいことも悲しいこともほとんどない。

Any way the wind blows doesn’t really matter to me, to me
風が吹こうが、僕には関係ないことだ。僕には関係ない。


[メロディ1]

Mama, just killed a man
ママ、僕は今ある男を殺してきた。

Put a gun against his head, pulled my trigger, now he’s dead
銃を頭に突きつけ、引き金を引いたら、その男は死んだ。

Mama, life had just begun
ママ、人生は始まったばかりだ。

But now I’ve gone and thrown it all away
でも僕はその人生から背を向け、それを捨ててしまった。

Mama, ooh, didn’t mean to make you cry
ママ、泣かせるつもりじゃなかったんだ。

If I’m not back again this time tomorrow
例え僕が明日のこの時間に帰ってこなくても、

Carry on, carry on as if nothing really matters
大した問題ではないんだ。これまで通りに生き続けてくれ。


[メロディ 2]

Too late, my time has come
遅すぎた。僕の晩は来てしまった。

Sends shivers down my spine, body’s aching all the time
剃刀が僕の脊髄を降りていく、いつまでも痛みが続くよ。

Goodbye, everybody, I’ve got to go
さようなら、皆さん。僕は行かなくちゃならない。

Gotta leave you all behind and face the truth
みんなを置いて、真実を目の当たりにしなきゃならない。

Mama, ooh, (Any way the wind blows)
ママ、ああ…。

I don’t wanna die
死にたくないよ。

I sometimes wish I’d never been born at all
でも時々思うんだ。僕なんて生まれてこなけりゃ良かったのにって。


[メロディ3]
-難解な単語が並ぶ。パラグラフの最後に単語の解説を載せた。-

I see a little silhouette of a man
男の小さなシルエットが見える。

Scaramouche, Scaramouche, will you do the Fandango?
スカラムーシュ、スカラムーシュ、お前は陽気なタンゴを踊るのかい?

Thunderbolt and lightning, very, very fright’ning me
落雷と光がとても、とても怖いよ。

(Galileo) Galileo, (Galileo) Galileo, Galileo Figaro magnifico
ガリレオ、ガリレオ、ガリレオの考えを想像しろ!

But I’m just a poor boy, nobody loves me
僕は可愛そうな少年だ。誰一人として僕を愛さない。

He’s just a poor boy from a poor family
「彼は貧しい家庭から生まれた可愛そうな少年だ。

Spare him his life from this monstrosity
彼をこの邪悪でいびつな惨劇から逃がしてやれ。」

Easy come, easy go, will you let me go?
気ままに生きてきたんだ。僕を解放してくれるかい?

Bismillah! No, we will not let you go
「アラーの神に誓って、お前を決して解放しない!」

(Let him go!) Bismillah! We will not let you go
(彼を行かせてやれ!) 「アラーの神に誓って、お前を決して解放しない!」

(Let him go!) Bismillah! We will not let you go
(彼を行かせてやれ!) 「アラーの神に誓って、お前を決して解放しない!」

(Let me go) Will not let you go
(僕を見逃してくれ) 行かせはしない。

(Let me go) Will not let you go
(僕を行かせてくれ)決して行かせない。

(Let me go) Ah
(お願いだ、見逃してくれ。)

No, no, no, no, no, no, no
(駄目だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ!)

(Oh mamma mia, mamma mia) Mamma mia, let me go
(ああ、どうすればいいんだ。)神様、僕を行かせてください。

Beelzebub has a devil put aside for me, for me, for me!
ベルゼブブは僕のためにとっておきの悪魔を取っておいているんだ。
とっておきの悪魔を!


Scaramouche:スカラムーシュ。イタリアの喜劇に出てくる道化。
Fandango:ファンダンゴ。スペインの陽気なタンゴ。
Galileo:天文学者ガリレオ・ガリレイ。またイエスキリストの出生地、ガラリアのことを指している。
Bismillah:「アラーの神に誓って」という意味の決まり文句。
mamma mia: イタリア語。Oh,my God.と同じニュアンス。
Beelzebub: ベルゼブブ。ヘブライ教にとって邪教神。悪魔を統べる君主。蠅の王と呼ばれる。

[メロディ 4]

So you think you can stone me and spit in my eye?
お前は自分が僕に石を投げ、目につばを吐く資格があると思っているのだろう?

So you think you can love me and leave me to die?
お前は僕をもてあそんで、そして僕が死ぬまで見捨てておけると思っているのだろう?

Oh, baby, can’t do this to me, baby!
ああ愛しい人よ、そんなことできないはずだ!

Just gotta get out, just gotta get right outta here!
ここから出ていかなくては。今すぐに出ていかなくては!

[アウトロ]

Nothing really matters, anyone can see
何事も大して重要じゃない。誰でもわかることさ。

Nothing really matters
何事も重要じゃない。

Nothing really matters to me
大したことじゃないさ。

Any way the wind blows
どうせ風は吹くんだ。

“BOHEMIAN RHAPSODY” も収録されているアルバム グレイテスト・ヒッツ


“BOHEMIAN RHAPSODY” を解釈したい

“BOHEMIAN RHAPSODY”は3つの部分に分かれている。
始まりでは語り手となるある少年(=a poor boy)が、銃で「ある男」を殺してしまったこと・強い自己嫌悪に悩まされていることを「ママ」に話す。
中間部では語り手の少年を「罰」から開放するか、それとも解放しないかを争う。
最後には語り手の少年が「あなた」に大して、強く訴えかけ、最後に何かを悟る。

この3つのパートは彼自身の人生観の変化を表している

彼は厳格なゾロアスター教徒のインド人の両親に育てられていたが、ロック・バンドの一員として幼い頃から活躍した。
彼はクリスチャンの国、イギリスで活躍していながら、ゲイだった。
彼は多くの障壁を乗り越えながら生きていた。その思い・葛藤が詰められたのがこの “BOHEMIAN RHAPSODY” である


始部:青年期に感じた無力感-イントロ-

最初の部分はフレディの幼年期・青年期の経験を示している部分だ。
彼はザンジバル島というところで生まれ、ロックに強く関心を持ちながら健やかに育った。
しかし彼が17歳の時に事態は一変する。
ザンジバル革命と言う武力蜂起が起こった。多くの血が流され、その結果として大陸タンザニアとザンジバル島から成るタンザニア連合共和国が成立した。

これを機にフレディと彼の家族はイギリスに移住することになる。
長く住んできた国を捨てるとは、並の決意でできることではない。恐らく、相当な危険を感じたのだろう。
–Caught in a landslide, no escape from reality
地滑りに飲み込まれた時のように、何物も現実からは逃れられない。–
この部分はこの革命で目の当たりにした暴力、そしてその時感じた人々の無力感を表現しているのだろう。

この革命では多くのアラブ人とインド人が虐殺された。
新しく赴いた土地,イギリスで、ファルーク・バルサラという本名を捨て、フレディ・マーキュリーとして生きていった背景には、この革命で少数の人々が虐げられるということを経験したことと無関係ではないだろう。

ザンジバル島:アフリカ大陸南東部に位置する。ピンの立った島がザンジバル島。


中間部:選択すること、そして痛み-メロディ1,2,3-

この部分はゲイである自分と、ゾロアスター教徒の青年としての自分のどちらか一方を選んだという事を示す部分だ。
–Mama, just killed a man ママ、僕は今ある男を殺してきた。–
というメロディ1の冒頭の部分は「偽りの自分」と決別したことを歌っている。
フレディはゲイである自分を受け入れ、ゾロアスターの教えに従うしかなかった自分を解放しようとしている

しかしその後、曲が進むにつれて
–Sends shivers down my spine, body’s aching all the time 剃刀が僕の脊髄を降りていく、いつまでも痛みが続くよ。–
–Bismillah! No, we will not let you go 「アラーの神に誓って、お前を決して解放しない!」–
と続いていく。このことからフレディの選択を批判する者がおり、それについてフレディが深く傷ついていることが読み取れる。

“Bismillah” 「アラーの神に誓って」という文句は、厳格なゾロアスター教徒である家族の言葉だろう。彼らはイギリスに来ても清いゾロアスター教徒だった。ゲイである彼を許しはしなかった。

終部:自己実現とその代償を受け入れる-メロディ4,アウトロ-

–Oh, baby, can’t do this to me, baby! Just gotta get out, just gotta get right outta here! ああ愛しい人よ、そんなことできないはずだ。 ここから出ていかなくては。今すぐに出ていかなくては!–

この部分は新しい土地で受けたインド人の自分に対する差別・家族からのゲイであることに対する理解の無さに対して、フレディが決意を固めたシーンを描いている。
多くの人が彼に対して、非難を浴びせた。
しかし彼を認める者もいた。それはクイーンのメンバー達であり、彼の音楽を愛する者たちである。そして誰よりもフレディ自身が自分の可能性を信じていた。だからこそフレディは自分を苦しめるものから逃げ出すことができた。そうして、自分の生きたいように生きた。

— Nothing really matters to me. Any way the wind blows
大したことじゃないさ。 どうせ風は吹くんだ。 —
という締めは、それまでに受けた苦しみからフレディが解放され、自己嫌悪を超越したことを表している。
この曲をきっかけにフレディは「可哀想な少年(=a poor boy)」からスーパースターへとなるのだ。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする