超名曲”Virtual Insanity”の和訳と解釈。

地球温暖化による問題が表面化してきている今日、多くの人が環境破壊について関心を寄せている。
今から20年ほど前に、現代社会を正に言い当てた歌がある。それが“Virtual Insanity”であり、この曲を作り上げたのがイギリスのエレクトロ・ポップスグループのJamiroquaiだ。

Jamiroquaiの放つこの曲の歌詞は難解で、訳すのには中々苦労しました。
訳詞の後に詳細な解説も載せてありますのでよければぜひご覧ください。

それでは早速、和訳へ。

[イントロ]

Oh yeah, What we’re living in Let me tell ya
僕たちの生きているこの場所について話させてくれ.

[メロディ 1]

And it’s a wonder man can eat at all
人間っていうのは素晴らしい.なんでも食べることが出来るんだ.
When things are big that should be small
物事が大きくなっている時,それは小さくしなくちゃいけない.
Who can tell what magic spells we’ll be doing for us
どんな魔法が僕たちにそうさせるのか,誰がわかるのだろう?
And I’m giving all my love to this world
僕は自分の持ちうるすべての”愛”をこの世界に捧げているよ.
Only to be told
そうしろとだけ言われたからね.
I can’t see
何も見えない.
I can’t breathe
息すらできない.
No more we will be
これ以上は僕たちは何にもなることはできない.
And nothing’s going to change the way we live
僕たちの生き方はちっとも変ろうとはしていない.
‘Cause we can always take but never give
それは僕たちがいつも欲しがるばかりで与えることをしないからだ.
And now that things are changing for the worse
そして今,事態は悪い方へと向かっている.
See, it’s a crazy world we’re living in
良く見てみろ.僕らの生きる狂った世界を.
And I just can’t see that half of us immersed in sin
僕たち人間の半分が原罪にどっぷりつかっていて,僕は見ていられないよ.
Is all we have to give these –
僕たちがやらなくてはいけないのは”それら”を与えることなんだ.

[フック]

Future’s made of virtual insanity
今ここにある狂気から生まれる未来は
Now always seem to, be governed by this love we have
いつも僕たちの持つ”愛”によって支配されているように思えるよ.
For useless, twisting, our new technology
意味のない,捻じれた新技術のためにね.
Oh, now there is no sound
ああ,何の音もしない.
For we all live underground
それは僕らがみんな薄暗い地下に住んでいるからだね.

Virtual:仮想とするのは誤訳。”現実と同様の働きをする”というニュアンス。

[メロディ 2]

And I’m thinking what a mess we’re in
僕たちが居るこの滅茶苦茶な状態について思いを馳せていると,
Hard to know where to begin
どこから始めればいいのか分からないよ.
If I could slip the sickly ties that earthly man has made
人間が地球規模で作ったこの病的な結びつきを静かに壊すことが出来たなら…
And now every mother, can choose the colour of her child
今や母親は誰でも,生まれてくる子供の肌の色を選べてしまう.
That’s not nature’s way
これは自然に逆らうことだ.
Well that’s what they said yesterday
昨日彼らが言ったことなんだよ,
There’s nothing left to do but pray
祈る以外にやるべきことは残されていないっていうこと.
I think it’s time I found a new religion
僕は思うよ,新しい宗教を見つけるべき時だって.
Whoa, it’s so insane to synthesize another strain
別の種族を化学合成しようだなんて,なんてイカれているんだよ.
There’s something in these futures that we have to be told
そんな未来で僕たちが告げられることは何だろうね.

[フック]

Future’s made of virtual insanity
狂気を材料として生まれた未来は
Now always seem to, be governed by this love we have
いつも僕たちの”愛”によって支配されているように思えるよ.
For useless, twisting, our new technology
意味のない,ねじれた新技術のためにね.
Oh, now there is no sound
ああ、何も聞こえなくなった.
For we all live underground
それは僕らがみんな地下世界に生きているからなんだよ.

[ブリッジ1]

Now there is no sound
何も聞こえない世界.
If we all live underground
もし僕たちが地下世界の住人なんだとしたら.
And now it’s virtual insanity
それが現実の狂気に触れるということだよ.
Forget your virtual reality
あなたの現実を忘れなさい.
Oh, there’s nothing so bad
何もそこまで悪くはないんだよ.
Oh yeah, I know yeah
ああ,知ってるよ.

[フック]

Future’s made of virtual insanity
狂気から生まれる未来は
Now always seem to, be governed by this love we have
いつも僕たちの”愛”によって支配されているように思えるよ.
For useless, twisting, our new technology
意味の無い、ねじれた新技術ってやつのためにね.
Oh, now there is no sound
ああ、今や何も聞こえなくなった.
For we all live underground
それは僕らがみんな,光の射さない世界で生きているからだよ.
Yes we do
僕たちみんながね.

[アウトロ]

Now, this life that we live in (virtual insanity)
僕たちが生きているこの狂気,
It’s oh so wrong
これはすごく間違っているものだ.
Out of the window (living in)
窓の外を見て,
You know that there is nothing worse than (virtual insanity)
狂気よりも悪いものは無いという事を君は知っているね.
A man-made man (virtual insanity)
人工物としての人間が生まれようとしている.
Still there’s nothing worse than A foolish man
愚かな人間たちよりも悪いものはこの世界には存在しないよ.



Jamiroquaiとは何者か?Virutal Insanityとは何か?

JamiroquaiとはリードボーカルのJason Kay(ジェイソン・ケイ,通称JK)を中心とするアシッド・ジャズバンド。

アシッド・ジャスとはイギリスで生まれたジャンルで、ジャズやファンク、R&Bなどの影響を受けて変化してきたクラブミュージックのこと。
大まかには、いろんな音楽と混じって生まれたダンスミュージックと言える。
(日本のアシッド・ジャズをやっているグループというとサチモスが有名だ。
実際、彼らはJamiroquaiに音楽的に強く影響を受けている。彼らのリリースした”Alright”という曲にはJamiroquaiの”Alright”へのリスペクトがこもっているという説はファンの間では通説になっている。)

JKは環境破壊について強い懸念を抱いており、環境活動家としても知られている。環境に対する思想・姿勢が多くの曲に表れていることからもそれはわかるだろう。
今回のVirtual Insanityも歌詞を見ればわかる通り、現代社会の問題について切り込んでいる。狂気から生まれる未来(Future made of virtual insanity)というフレーズは科学技術にすべての価値基準を置く現代社会のことを暗示しているようだ。
さて、ここで僕が強調したいのは、このVirtual Insanityが1996年にリリースされたということだ。歌詞の内容はまるで2010年代の社会について語っているようにも思える。彼の当時の先進的な歌詞はまるで予言のようにも聞こえる。

フェラーリに乗るジェイソンケイ。環境破壊に怒りを感じるがスポーツカーは好きだ。
彼は現代社会にはびこる”愛”を自ら体現しているのだ。

Virtual Insanityは札幌の地下街にインスパイアされ生まれた

ここ最近、ファンの間で話題になったのが以下の動画。

字幕もあって分かりやすい動画なのでぜひ自分の目で確かめてほしい。
大好きな名曲が日本の都市で生まれたというのは喜んでよいことだと僕は思う。日頃から彼が感じていた狂気が、札幌の地下街によって言語化できたという事だろう。(we live in undergroundというフレーズは象徴的だ。)
もし彼が日本の都市過密・地方過疎問題を目の当たりにしたら、また名曲を書いてくれるのではないかと僕はひそかに期待している。


現代は環境破壊の問題と同様か、それ以上にヘゲモニーの問題が強く世界を歪めている。Jamiroquaiの音楽的全盛期は2000年前後だと言われているが、彼らの歌うべき”愛”と”狂気”は今もなお世の中に溢れているように思える。
20世紀最後の大物と呼ばれたJKがこれまで以上に活躍することを多くの人が願っている。
Jason Kay、いまこそ君の出番だ。

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